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ケネディの演説を読んだことないの?片山さつき先生?
なぜか真逆の意味で引用する片山先生

片山さつき先生が大変面白いツイートをされています。

片山さつき認証済み ‏@katayama_s

@taiyonokokoro50国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!



わかる人にはわかると思いますが、これは有名な1961年のジョン・F・ケネディ大統領の演説からの引用でしょうね。

当時、就任演説でケネディ大統領はこう述べています。


米国大使館リファレンス資料室「アメリカ早分かり」(About the USA) より


米国民の同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。 あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい。



ここだけを聞くと、まさしく「国家主義」に聞こえます。
ですが、これは抜粋のマジックです。
というのも、ケネディはこの演説では全く逆の意味の演説をしていることがはっきりしているからです。



「天賦人権説」を根拠とするケネディ演説

この演説の中で、ケネディはアメリカ人を次のように定義しています。

われわれの先達 がそのために闘った同じ革命的な信念が、今も依然として世界中で争点となっている。それは、人間の権 利は国家の寛大さからではなく、神の手からもたらされる、という信念である。

今日われわれは、自分たちがその最初の革命の継承者であることを忘れてはならない。



国家の慈悲や義務の対価としてではなく、神(つまりは「天」)からもたらされているものが人権であり、それを取り戻すための最初の革命(おそらくは独立戦争やそれに連なる欧州の革命のこと)の後継者が「アメリカ人」である、とうわけです。

ようするに、天賦人権説がアメリカのアメリカたる根拠である、とうことを意味しています。
「自由の国アメリカ」と考えれば当然のことであり、その意味でケネディはそれを再確認したわけであって、新たな定義をしたというわけではないわけですね。

そして、ケネディの世代のアメリカ人を次のように定義しました。

この世紀に生まれ、戦争によって鍛えられ、困難で厳しい平和によって 律せられ、われわれの古い遺産を誇りとし、そして、この国が常にそのために尽力してきた、そして、今 日もわれわれが国内で、また世界中でそのために尽力している諸々の人権がゆっくりと奪われていく様子 を目の当たりにしたり許したりすることを不本意とする世代である。



独裁や圧政によって天からもたらされた人権が奪われていくのを不本意とするのが新しいアメリカの世代なんだ!というケネディの強い意志を感じられます。

これらの発言から、ケネディは「国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう」などという片山センセイの思想とは真逆の主張をしていることがはっきりしています。



「正しいことだから貧しい人々を助ける」というケネディ

さらに、ケネディは「自由な社会」の果たすべき責務について次のように述べています。

この地球の半分で、小屋や村落に住み、多大な窮乏の束縛から逃れようと苦闘している人々に対して、 どんなに時間が必要とされようと、彼らの自助努力を助けるための最大の努力を誓う。それは、共産主義 者がそうしているかもしれないからではなく、また彼らの票が欲しいからでもなく、それが正しいからで ある。もし、自由な社会が貧しい多くの人々を助けることができなければ、裕福な少数の人々を救うこと もできない



ここでは、「貧しい人々」が義務を果たすかどうかについては述べていません。
つまり、義務を果たす対価として、あるいは国の慈悲として貧しい人々を助ける、というのではなく、自由な社会では貧しい人々を助けるのは義務でありそれができなければ裕福な人々の自由も維持できない、ということを主張しているわけです。


ケネディはさらに、アメリカに敵対的な国(当時はソ連を中心とする東側諸国)にたいして、核兵器などの大量破壊兵器を相互に査察してこれ以上の軍拡競争激化を抑えようと呼びかけます。

そして、これらの破壊的な兵器を絶対的な統制下におこうじゃないか、と提案します。
難しい提案であり、相手が乗ってくるとは限りません。しかしケネディは国民にこう呼びかけます。

このすべてが、最初の100 日間で達成されることはないだろう。それどころか最初の1000 日間でも、 この政権の任期中にも、あるいはわれわれがこの地球上に生きている間でさえも、おそらく達成されない だろう。だが、とにかく始めようではないか。



自分の政権では実現できないかもしれないが、できることをしよう、今すぐ始めよう、ということですね。
ケネディは、こうした軍拡競争の終焉は自分の時代だけではできないかもしれないことを正直に国民に訴え、それでも今すぐ始める必要性を説いたのです。



敵は圧政・貧困・疫病・戦争

そして、ケネディは最後に自分たちが戦うべき「敵」を示します。
当時はアメリカはソビエト連邦を盟主とする東側共産主義国家と冷戦状態でした。
普通に考えればそれらの諸国を敵をみなしそうですが、ケネディはそう言いませんでした。

今、われわれを召集するラッパが再び鳴っている。それは、武器は必要ではあるが、武器を取れとの合 図ではない。われわれは闘争の中にあるが、戦闘に参加せよとの呼びかけでもない。それは、年々歳々、 「希望に胸躍らせ、苦難に耐えて」長いたそがれの闘いの重荷を引き受けよ、との呼びかけである。その 闘争は、人類の共通の敵である圧政、貧困、疾病、そして戦争そのものに対する闘いである。

われわれは、これらの敵に対抗して、より実り多い生活を全人類に確保することのできる、南北の、東 西の壮大な世界的同盟を築きあげることができるだろうか。皆さんは、その歴史的な努力に参加してくれ るだろうか。



ケネディは国家の「名誉」や「誇り」のためであれば、あるいは「強いアメリカ」のためであれば圧政をしいたり、国民を貧困にさせたり、病気を放置したり、ましてや戦争をしてよい、ということではなく、戦うべき相手は、こうした圧政や貧困、病気、そして戦争であり、その事業に国民の支持と参加を呼びかけたわけですね。

どこかの国を攻撃せよとか共和党を攻撃したりするのではなく、あくまでも全人類共通の課題に対して一緒に戦ってほしい、とケネディは国民に具体的な「敵」を4つあげて参加を求めたわけです。



ケネディは自発的な参加を呼び掛けた

ケネディは、こうした4つの敵が「自由の敵」である、と考えたのですね。
貧しく、病気を抱えた人々や、圧政に苦しむ人々、戦争に巻き込まれる人々は自由ではなく、自由な社会を守る戦いにはこれらの克服が必須だということです。

そのための戦いはとても困難です。ですが、ケネディと、その世代の人々はその戦いから逃げはしないと宣言します。


世界の長い歴史の中で、自由が最大の危機にさらされているときに、その自由を守る役割を与えられた 世代はごく少ない。私はその責任から尻込みしない。私はそれを歓迎する。われわれの誰一人として、他 の国民や他の世代と立場を交換したいと願っていない、と私は信じる。われわれがこの努力にかけるエネ ルギー、信念、そして献身は、わが国とわが国に奉仕する者すべてを照らし、その炎の輝きは世界を真に 照らし出すことができるのである。





ケネディは、つまるところこういうことを主張したわけです。

人権は国家の寛大から与えられたものではなく、神からもたらされたもの
・アメリカ人は権利を獲得する革命の後継者だ
・自由陣営の国家には、アメリカが専制国家とならないことを誓う
・東側には対話と礼節による信頼を提案する
自由な社会の敵は「圧政・貧困・疫病・戦争」だ
・自由な社会の敵との戦いからアメリカは逃げない

こうしたことをすべて踏まえたうえで、初めて次の言葉に結び付くのです


だからこそ、米国民の同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。 あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい。

世界の市民同胞の皆さん、米国があなたのために何をするかを問うのではなく、われわれが人類の自由 のために、一緒に何ができるかを問うてほしい



これは甘えるな、という意味ではありません。

自分の貧困や疫病などのために国に何かをしてほしい、ということを考えるのではなく、社会の貧困や疫病それ自体を克服するために、祖国に対して自分が何をできるのかを一緒に考えてほしい、そしてそれはアメリカだけでなく、自由を愛するすべての人類にも同じように考えてほしいという意味と考えるのがこの演説の趣旨といえるでしょう。

これは、たとえば「学校でボランティアの義務を課すこと」などとは根本的に異なります。
自分で自分自身に何ができるのかを考え、自発的に取り組んでほしいという意味でしょう。

義務を果たさなくては人権を与えない、などという思想とは全く逆であり、人権と自由はまずそこにあり、それを守るための祖国の課題に対して一緒に戦ってほしいというケネディの思想がありありと伝わってきます。


このスピーチをまとめたスピーチライター、セオドア・C・ソレンセン氏は「ケネディの分身」と呼ばれるほど親密で、のちにフルシチョフへの親書を作成して実際に緊張緩和に献身しました。
スピーチの文言には2人の理想と決意が見て取れます。


せめて調べてから発言したほうがいいのでは?

憲法改正案についてここではどうこう言うつもりはありませんが、ケネディの名言とされる言葉を引用するなら、せめてその発言の内容を調べてから発言したほうがいいのではないでしょうか、片山先生?

わたしたちの考え、と言い切ってますが、本当に自民党全体の考えなのでしょうか?
自民党は親米路線のはず。だったらせめて同盟国の国家元首の発言の意味ぐらいは知っておいたほうがいいのではないでしょうか?

片山センセイにはケネディの次の言葉も送っておきたいです。


国家は市民の従僕であって主人ではない

第35代アメリカ合衆国大統領 ジョン・フィッツジェラルド ・“ジャック”・ ケネディ






追記

片山先生はご自身のツイッターで次のように述べておられます。



片山さつき 片山さつき認証済み ‏@katayama_s

@KazuhiroSoda戦前?!これは1961年のケネディ演説。日本国憲法改正議論で第三章、国民の権利及び義務を議論するとき、よく出てくる話ですよ。



ご自身であのツイートがケネディの演説からの引用であると明言し認めておられますので、私としては当然ケネディの演説と関連づけて論じさせていただきます。
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テーマ:選挙 - ジャンル:政治・経済

[2012/12/07 16:55] | 表現規制 | トラックバック(2) | コメント(9) | page top
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コメント
No title
私は神を信じないんですが、
最高存在でも信じてればいいんでしょうか?
[2012/12/09 15:45] URL | 773 #IzkbfxZU [ 編集 ]
No title
議員さんに知識を期待するのは無理があるように思いますけどね。
[2012/12/09 16:22] URL | #- [ 編集 ]
自由を圧迫する共産陣営
こんにちは、

私はこの就任演説が行われたアメリカン大学の大学院を卒業しています。ケネディの就任演説が行われたキャンパスだということを誇りにしている大学です。

もし、圧政へのうんぬんと言うなら時代背景まで語らないと片手落ちです。この就任演説は、ソ連との対抗において語られた言葉。国のために兵士になって犠牲になれと。ベトナム戦争を実質始めたのはケネディだということを忘れてはなりません。国の為に兵士になれという以上に国への「義務」を果たすことはないと私は信じます。
[2012/12/09 17:32] URL | ひでき #- [ 編集 ]
No title
「調べてから発言したほうがいいのでは」と言い切るのは失礼にあたりそうです。

言葉が形式的に同じであってもその内容が実質的に異なることはありえるでしょう。そもそも片山氏は天賦人権説を否定しているので、ケネディと違う内容を主張したいと考えていることは十分ありえます。

またご存知とは思いますが、現憲法が天賦人権論に基づいており、これを変更することは出来ないというのが憲法学界では多数説ではあります。しかし、天賦人権説を否定する言論自体を憲法は否定していませんし、そもそも天賦人権説を変更すること自体が不可能であるという絶対的根拠もありません。

そうであれば、片山氏の言説を居丈高に否定する方々はむしろ現憲法の精神に反していると思います。
[2012/12/09 17:49] URL | #- [ 編集 ]
No title
自信を持って強気に自己主張できるその勇気には感服いたしました。
が、ケネディを引用した云々については根拠が定かではないと思います。
それからあのツイートだけを根拠に、ここまで攻撃的に批判されるというのは盲目的としか言いようがありません。

もう少しクールに考えましょう。
[2012/12/09 20:42] URL | No name #- [ 編集 ]
素晴らしい解説です
片山さつきは東大大蔵省という所謂エリートコース。漫才の人を避難したのもこの人。
基本的に劣っている人を許せないあのヒットラーと同じタイプの人間です。
本来指示かになるべきではなく、世界一頭が良く優秀なのはじぶんで、劣っている君たちは、国に文句などいう資格はなく、生活できるだけ良いのだよ。
感謝をしろ!という彼女の上から目線の考えの現れですね。
嫌な女だな!
舛添でなくても遠慮するよ。
今NHKの朝ドラの女弁護士そっくり!
[2012/12/09 21:36] URL | 宮ちゃん #- [ 編集 ]
No title
この程度の言い回しでしたら、少し権利と義務を考えたことのある人であればすぐ出てくる言葉です。
ケネディの発言は違う論理からこう言っているという紹介としてはこの記事はわたしにとって役に立ちましたが、これを論拠に片山氏に批判を加えることはちょっとよろしくないように思います。
[2012/12/09 23:28] URL | #- [ 編集 ]
No title
片山議員は法実証主義から自然権思想を批判しようとしているものと思われます。

誤解を恐れずに言えば、最も重要な法規範である憲法が、正義感覚や天からの贈り物たる人権というあやふや(だからこそ独裁者が手を出せないという利点があるのですが)なものではなく、実証可能は社会的事実のみに基づくべきという考え方に首肯すべき部分はあります。

また、これも誤解を恐れずに言えば、戦後押し付けられる形で制定された現憲法が本当に日本人の正義感覚に沿うものなのか、人権が天からの贈り物であるという考え方が共有されているのか、国民に問う時期が来ているとと思います。

芦部先生が強く法実証主義を批判した背景にはご存知のとおりナチス批判の文脈があるのですが、かかる文脈が未来永劫続きうるのかについても議論の余地がありそうです。
[2012/12/10 13:43] URL | 法実証主義 #- [ 編集 ]
こんなところにまで
政権党が
監視員を
送り込んでくるとは
驚きだ
[2013/06/02 18:02] URL | #- [ 編集 ]
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言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信の自民党支持者
 取材を終え、秋葉原で知人と会食したあとの帰り道で性懲りもなくはてなブックマークを眺めていたら、こういうブックマークコメントに行き当たった。 自民党が徴兵制をやろうとし
[2012/12/10 00:16] LUNATIC PROPHET
日本の人権なんて天皇陛下からもらったものにすぎない
片山議員の発言を揶揄して書かれたエントリーがあまりに浅薄なので腹が立った。 当時、就任演説でケネディ大統領はこう述べています。(略) 『米国民の同胞の皆さん、あなたの国が
[2012/12/12 08:36] HPO:機密日誌
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